仮想敵を相手にした一人稽古では、スリッパ置いて打太刀がここに立ってる!とかやりながら一人二役でやっていたこともありますが、水月で一番気になるのは正しく水月を突いているか?という問題。タイミングは以前に独自研究しましたが、今回は実際の水月への突きのパワーです。一人稽古をする際に、何か目印になるものがあるに違いない。
一番強いのはどの形?という小学生の自由研究課題にある答えは三角形です。三角形は力が加わっても変形しにくい性質がある。
打太刀の居ない空間を突くのは結構難しい感じがしますが、そこは居合道で養った想像力をフルに使い補いましょう。突いた姿勢だけど、杖の角度はだいたい想像できるはず。そこから考えられる一番強い三角形はおそらく右だろう。あまり意識しないと左になりやすい。一番強いであろう三角形の場合はヘソが杖先(打太刀の水月)を向いているはず。
やっぱり実際に打太刀に突いてみないと分からないが、この二等辺三角形を楔だと見れば、楔の力=加えた力 ✖️(斜面の長さ➗頭の長さ)が成り立つので、楔の角度が狭くなるほど、楔の出す力は大きくなるのが理解できる。私の場合には下のようになる。
突きの威力 = 加えた力 x (杖128cm/腰34cm)
ということは、例えば10の力で突くと単純計算で37.6の威力が出るはずである。しかし左のような直角三角形の楔になると楔の力は加えた力のみ伝わるはずだから、10で突いても10のままなのではないか?感覚的には左の方が腕力を目一杯使って、頑張って突いた気持ちになれるけれど、しっかり鞘引き(?)して杖の加速度を増し、左腰を入れて楔の形を作った方が遥かに効果的な突きを生み出せる、はず。
以上のことから、仮想敵を突いた時に、自分の腰が杖に対して直角になっている場合は失敗しており、杖先にヘソがしっかり向いている場合は良い感じなのではないだろうか?
もっと、もっと思いを書きなさい。疑問を持ちなさい。疑問は将来の宝になります。世界中の杖仲間が見ていますよ。
ビデオを見て、打切を大切に。また、斬り手の研究を。