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疑問と仮説

前回の左貫本手打から学んだことは一体なんだ?というと、正しい構えの重要性である。ブログで研究したように、少し違うだけで全く異なる結果になったことが衝撃的であった。
 

 
おしまい
 
 
___で終わってしまうと勿体無い。これを応用して他の技(私にとってつまり引落打であるが)の理解を深めることが出来るはずだ。全ての道は引落打に通じるのである。
 

Dec 2016


 
具体的な違いは、杖筋が通った左の動画では、構えた左手の位置が水月の1拳前であるのに対して、右の動画は胸の2〜3拳前にあることだった。杖道では、打つときに手を滑らせるのが特徴である。
 

 
色々な人を観察していると、打ち方にパターンがあるのに気付く。顔面を打つ引落打の場合、手首をスナップさせて打つ人は右手が支点になっていて、杖先を移動させるのを、例えばボート漕ぎのようなテコを利用している。最後まで杖先が前に出てこないのが特徴だ。
 

 
このような打ち方は、左貫本手打のような場面では失敗しやすい。
 
何故なら杖先を下に動かすためには、杖尾を上に動かさなければならないからだ。打ち終わりに杖尾を抱きかかえたり、窮屈な姿勢になっている場合は、正しい間合いに引いていないか、もしくは打ち方に問題がある可能性があるのではないだろうかと、私は思う。さらに前回のブログで紹介したように、構えた時の手の位置が高い場合でも、一度下に移動させてから上げることになるため、直線を描きにくい。これは引落打でも頻繁に起きる現象で、打ち終わりに体が浮き上がるのが特徴だ。
 

March 2015


 
杖道は単独動作から学び、一番最初に習うのは本手打だ。準備の姿勢から前の手の位置を上下させないで、後ろから大きく回して打つように指導されたのを覚えている。杖先を走らせて、体から先に突っ込まないように注意されたことがある。支点を固定させて、手を滑らせて打ち込む大切さを学ぶのだろう。
 
二番目は逆手打だ。打ち損じる場合は前の手を手前に引いたり、下げたりする場合がほとんどである。本手打と同じように支点を固定することが大事であり、さらに腰をしっかり入れることを注意される。
 
そして三番目の引落打。準備の姿勢が大きく異なり、真半身からやや半身で打つことになるが、先の基本2本からの応用であると考えれば理解しやすい(はずだ)。
 
支点を固定させること
手を滑らせること
腰を入れること
 
まず最初の疑問は支点が一体どこなのか?ということだ。本手と逆手と違い、杖尾は胸にある。これは一体どういう意味なのだろうか?なぜこんな構えにくい所に手を置く必要があるのだろうか?
 
逆手打で打ち落す場合は『合わせ』から始まるが、一番最初に感じるのは『間合いが遠い』ということだ。これと比べると引落打は『間合いが近い』だろう。左貫での本手打ではというと、これは引落打と同じくらいじゃないかと、私は思う。しかし右足が前でさらに正対していることから、打ちやすいと感じるはずだ。引落打のように真半身なっていると難しく感じる。
 

腰が十分に入らないと前傾しやすい


 
下のイラストは私の計測した結果なので、これが本当に正確なのか自信がないけれど、逆手打と比べて引落打は、おおよそ切先に体一つ分前にあるようだ。
 

 
多分私だけじゃないと思うんだが、イラストを見ていると凄く気になることがあるだろう?そう、「逆手打用意での前手の位置と、引落打用意の前手の位置は、果たして同じなのか?」である。
 

 
私の計測ではほぼ同じなのだ…
 

 
次回に続く!

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錆落とし

数ヶ月前から、なぜか得意だった左貫の本手打が下手くそになった。杖が滑らずに叩く格好になってしまっている。形の演武の時だけ発生するので、非常に不思議だったのだが、昨夜撮影したら原因が分かった気がする。変なスランプはすぐに脱出したい。
 
まず比較のスロー動画を貼ってみよう。
 

 
この時はとりあえず杖が滑る感触だけをチェックしていたので、腰が入っていないのは見逃してもらいたい。まず最初に気がつくのは構えが違うこと。形では左手の位置が上がってしまっていて水月の前じゃ無い。そのせいで打ちおろす際に窮屈になり、結果的に左手が下がる動作が加わってしまうようだ。
 

 
支点となる左手が動くということは、それだけ杖先が描く起動がブレやすいということだから、刃筋は通らなくなっているのだろう。そして、顔面に杖先を素早く持っていくことばかり考えていると、私の「杖先を正中線に戻してしまう」癖が出てきやすくなり刃筋がカーブしているのが分かる。
 

構えが違う


 

正中線に戻してから上げる癖がある


 
次は少し姿勢を低くして打ってみた時の比較動画。こっちのほうが気持ちよく滑ったけど、姿勢というよりも、刃筋がもっと真っ直ぐだったのが原因のようだ。
 

 
スッキリしました。
 

雷打編

引落打は少し期間が空いてしまったのか、また振り出しに戻ってしまって、杖合宿の時のように打てない日が続いているので、気分転換も兼ねて、全英大会後日に開催された杖道錬成会で取り組んだ雷打について、指導された部分を研究していきたいと思う。私は次の稽古までに、注意された点は改善させておきたい。
 
特にこの形は三段以上になると、大会や審査でもよく出てくる制定杖道の形でもあるし、古流中段にある形で非常に難しい。苦手はさっさと克服していきたい。
 
私がよくチェックしている部分が以下

  1. 構えが変
  2. 突くときに杖先が下がってから上がる
  3. 突いたときに仕杖の頭が上がる/背が伸びる
  4. 突いたときに押し返される
  5. 突いたときに右手を滑らせていない
  6. 水月を突いていない
  7. 杖が横回転しながら次の突きの準備をする
  8. 突きが横から来る
  9. 突きに気杖体の一致がない
  10. 突いたときに真半身じゃない
  11. 突いたときに後ろ足が開きすぎている
  12. 突いたときに肘が杖の下にない
  13. 突いたときに杖の線と両肩、両肘、両足が同じ線上にない
  14. 突いたときに杖が打太刀の肘を止めていない
  15. 脾腹を突いていない
  16. 突いたときに打太刀を見ていない
  17. 杖を顔面につけたときに下半身がまだ真半身になってる
  18. 杖を顔面につけるときに杖先がフラフラする

私が一番研究したいのは気杖体の一致、そして錬成会で課題を出されたのが真半身の部分だ。自分を含めて色んな人の動きを注視していると突きには二種類あることに気付く。一つは前足が着地する瞬間に杖先を脾腹に突く人達。もう一つは後ろ足が着地する瞬間に杖先を脾腹に突く人達だ。どちらが正しいのかは知らない。だからここに書いてあるのは私の個人的な感想です。
 
雷打は非常に速い形なので、とても見えにくい部分だけど、スロー動画だと二つの違いがよく分かる。前者は突くのが素早く、見栄えも良い感じがするが、突き終わってからも動いているので良く観察すると違いがはっきり見えてくる。後者は前足が着地してもまだ狙っているか、前足が着地した時に突き始めるので、突くタイミングが一瞬遅い。私は下の動画で見ると後者に近いと思う。若干後ろ足の着地が遅いので、後ろ足の踏ん張りが効いていないようだ。突いた瞬間と両足が着地した瞬間の比較画像を下に紹介する。
 

後ろ足の着地が一瞬遅い?


 
やはり先生方の演武を拝見していると、動きに無駄がなく、そこから気品/気位/気勢、タメやキメが生まれてくるのだとも考えられるから、突いてからもまだ動いているというのは、間違ってるのかどうかは知らないけど、格好は良くないと思う。
 
突いてからまだ体が動いているのは、下半身を使っていないのだから、やはり腕力に頼って突くことになるだろうし、打太刀が強いと押し返されることが多いので、気杖体の一致を考えれば理想的ではない気がする。私はこの部分は今まで通り、後ろ足着地と同時に突きが決まるイメージで稽古していこうと思う。間違えていればまた先生から修正するように指導を受けるだけだ。下の動画は錬成会で修正をする前に自分の問題点を確認するために撮影したものです。今まではこんな感じでやっていました。稽古後は改善されていると思いますが、まだ突く準備が遅いし、もう少し後の先で動けそうだし、姿勢に関して未完成である。
 

 
突いてからも動き続けて、杖の下に移動して体の修正が出来る人と比べて、後ろ足の着地と同時に突きをキメる場合は、一発勝負になるので、真半身が一瞬で完成しないとタイミングが良くても、突いたときの姿勢が変である場合があり、それが私の今回の錬成会で課題になった一つである。どうも真半身になりきれていないようである。各自修正しながら、原因を探ったり、体にその姿勢を覚えさせようと頑張りました。
 
特に後ろ足の湧泉で蹴って突こうとすると、体は自然と打太刀に向こうとねじれを生み出し、両肘が外に張ってくる。したがって、突くときは足裏全体をしっかり使って行う方が、体を真半身に保つのに有効だと、この時に考えたのだが、自宅で稽古をやっていると、もっと簡単で重大な原因が見えてきた。
 
雷打では、真半身から真半身へと転身をするのだが、意識しないと180度しか回らず、杖と下半身が打太刀に対して斜めに構えると、下のイラストの右のようになり、両肘が外に張って、何だか上半身だけやや半身のような姿勢になってしまう。杖と両肩と両足のラインが同じ線上になく、ねじれており強くない。気持ちは200度くらい回る方が、正しい姿勢で突けることが可能になるのではないだろうか?
 

緑=杖、紫=上腕


 
杖道は面白い。出来たと思っても全く出来てない。速さで誤魔化したり、事理一致してなかったり、技が効いていなかったりする。特に最近は怪我をすることも多くなって、昔のように力任せに動くと関節が悲鳴を上げるようになってきた。体に無理のない動きを追い求めていきたい。朝起きたらどこか痛いとか、ストレッチしたら関節が壊れるとか、最近多すぎる。
 

打突の好機

初心者と私の共通点はいつどこを打っているのか?が曖昧であるということだ。合宿中に沢山の初心者の打太刀をやって気付いたこと、自分の打ち方を調整して理解を深めたこと、そして講話で学んだことを改めて整理してみた。
 
もちろん最初から出来ている人は居るんだろうけど、多くの初心者は太刀に当てることに集中するため、思い切り太刀を叩き払うか、当たった後に押し込むという、大きく分けて2パターンに別れる。私の昔の動画を振り返ってみたい。これは叩いてから押し込む動作をしている。
 

2015年9月


 
このように、体が開くタイミングが早い場合、一体何が起きているかというと、杖が太刀に当たる瞬間に前足を固定して叩いている。当たった後は、後ろ足をさらに捻って前傾し、腰を回して押し出そうとしているのが分かる。つまり、当たったときにはもう打ち終わっていて、その後はおまけだ。技も非常に小さい。
 
このようにして打つと、打太刀は太刀を叩かれたような感触を持つのだが、タメを使って打つ場合、そのタメを解放するために前足を、当たる瞬間よりも早いタイミングで固定しなければならないというのも、忘れてはいけない。動きを一回止めてから打つというのは、見かけによらず結構弱い。
 
これが杖が後ろから遅れてやってくる一番大きな原因だ。タメを使って打つのが何故駄目なのか?というのは、(私が今まで散々悩んだように)あんまり難しく考えなくても、先生方の引落打を受ければ答えがすぐに分かる。それはもっと楽で強く打てる方法があるからだ。力技の場合は、ある程度筋トレで威力が伸びる可能性があっても、加齢とともに弱くなるのは明らかだ。どうせなら仙人のように老いても強く居たいし、明日は今日よりも上達していて欲しい。死ぬ直前が自分にとってベストでありたい。筋トレはあくまで健康維持のためだ。武道なんだから、テクニックを学ぼう!
 
例えば思い切りサンドバッグを叩くのは、ストレス発散で気持ちがいいかもしれないが、正しいテクニックを学ばないと手首などを怪我するし、見かけだけで、強いパンチにならないだろう。理合だってボクシングと同じだ。大きく振りかぶって殴り掛かっても、避けられたら意味がない。パンチが出る前に顔を出しても危ない。杖道の打太刀はサンドバッグではないし、持ってるのも木の棒ではなく、人が日本刀を持っているのを忘れてはいけない。
 
仕杖の意識が太刀に移った時、それが打太刀にとっての打突の好機である。剣道はやったことないけど、きっと相手の竹刀を打とうとすると、逆に自分が打たれて負けるだろう。「太刀を見て打たないように」とアドバイスされたのは、何度もある。
 
では、一体どのタイミングで前足が固定されるのが最適なのか?気杖体の一致を考えれば、手の内を使う瞬間だろうというのは簡単に想像出来る。じゃあ、いつ手の内を使うのか?太刀を叩く目標にするのでなければ、何をターゲットにして打つのか?
 
私が思うには、遠心力などを使い、杖先の力が最大になるように打つのだから、杖と太刀が最初に接触するタイミング、つまり太刀の切先や物打付近で力比べするのは、仕杖にとって不利なはずだ。なぜなら太刀の切先に力がある打太刀に対して、仕杖は力の入っていない杖の手元付近で勝負しなければならないからである。かなりの力技にならざるをえない。そしてこれは「力は手元ではなく、切先/杖先に」という教えに反する。こうなると自然と杖先の力は軽減されてしまうだろう。悪い影響が出る。
 
したがって解決すべき問題は、どのようにして太刀の強い切先部分を、杖先に力を温存させたまま、仕杖にとって弱い手元付近で負かすか?である。
 
以前のブログ記事で散々研究したので、その方法は省略するが、タイミングで考えれば、一番強い杖先が太刀に接触する瞬間が、仕杖にとって勝負の時であるはずだと思う。それはきっと杖が太刀を離れる間際であり、イメージしているのより随分後だ。腰を回すタイミングが早いというのも何度もアドバイスされたが、結局全てのアドバイスは表現の違いがあるだけで、同じことを言っているのだろう。
 
太刀を見ないというのには2つ意味があると思う。1つは太刀を叩く目標にしないということ。目標が近過ぎて窮屈な小さい円になりやすく、手の内を効かせるタイミングが早くなってしまって、力技になりやすい。もう1つは太刀に意識を移すことで、打太刀に打突の好機を与えてしまい、技が成り立たなくなること。常に打太刀を攻める気持ちを持つことで、正しい理合で打ち込むことが出来、杖を大きく回し、遠心力を使って技を最大に使えるだろう。そして、結果的に自然と正しいタイミングで手の内が使えるようになる(はず)。
 
講話で「打突の好機」について学んだので、自分なりにそれを考えてみました。今週末は古流の稽古会、来週末は全英大会です。例年なら6月中旬なんだけど、今年の大会が早いのは何故…
 

引落打FX

そう、やはり小さな力を大きくするにはレバレッジ(テコの原理)をかけるしかない!そんな再確認をした週末でした。
 
上田先生との杖合宿は、毎年春に妙剣道場が主催します。実はこの道場がある街は、私が4年通った芸大の隣街にあるんですが、あの頃は全く武道に興味も無く、ピーター先生に出会うこともなかったのでした。しかしながら不思議なご縁を感じています。
 

 
杖合宿は講習会ではありません。皆で仲良く一緒に稽古しましょうということで、40名くらいの参加だったと思いますが、初心に帰って全員で基本の基本を徹底的に稽古しました。海外では殆ど開かれない貴重な講話もあり、非常にためになる2泊3日の旅でした。朝の6時半から午後6時半まで稽古して、タイヨガマッサージの後にプールで30分くらい泳いで、ビール呑んで食べれるだけ食べて、寝る前に全部ノートにまとめて、寝て起きて稽古再開!と本当に楽しかったです。
 
初心に戻って、今までやってきたことを忘れて一から学び直すつもりで、全ての基本技を再構築することにしました。道具の手入れも皆でやって、見違えるような杖と太刀に感動です。
 
2011年の春からもう7年も引落打に没頭し、道場の友達からは「まだ引落打やってるの?他の技も勉強しなさい」とよく言われ、呆れ顔で晩ご飯でもからかわれましたが、その度に全部同じ技だと説明してるんですが、私の説明がヘタクソなのかあまり聞く耳を持たれません。いつか、きっと自分がもっと上手になれば、技を通してそのことを皆に伝えることが出来るのかもしれません。それまではとにかく練習研究あるのみです。
 
全ての技では杖の刃筋となる軌道を邪魔しない身体操作が重要で、これがほぼ同じ仕組みだと思います。人間の骨格の作りを考えれば自然な動きというのが見えてきます。そして、テコの原理。この恐ろしくシンプルなのが杖道の魅力です。
 
12本ある基本技の中で、私が一番難しいと感じるのは引落打です。他の11本は引落打の応用とも言えるし、11本の応用が引落打の1本に全部入っているとも言える気がします。例えば_
 
本手打のように後ろから大きく回し、
逆手打のように前手を固定し、
返し突のように体を捻り(逆再生)、
逆手突のように体を捻り、
巻落のように太刀に乗り、
繰放、繰付、体当のようにテコを使い、
突外打のように杖を振り下ろし、
胴払打のように腰のキレを使い、
体外打のように太刀を打ち落とす。
 
これに加えて杖八相から水月に打ち込む正眼や乱合での、腕力じゃない体重を乗せたテコの感覚の12をまとめると、引落打にレバレッジがかかる_____はず!50倍とか!!やっぱり体重は増やした方が効くのか?
 
もうね、ここまで引落打に没頭すると「全ての道は引落打に通じる」みたいな感じがします。だから基本が全てしっかり出来ていないのに正しい引落打が打てるはずが無いとも思います。
 
一番難しいのは、テコを使う瞬間に水月に打ち込む時は、的が固定されているから簡単だけど、引落打では少し暖簾に腕押しみたいなイメージがあって、少し怖いところです。でも体外打では出来るんだから、気持ちの問題だと思います。私は水月に打ち込む時に、『J』のイメージを持っています。真っ直ぐ振り下ろして、最後の一瞬にやや半身になって杖先の角を手の内でパッとのめり込ませる感じでやると打太刀が「うっ」となります(笑)どのくらい重いのか、さっぱり自分では分からないのが問題ですが、打太刀はいつも予想よりも良いので、まずまずなのではと。
 
しかし、楽に打てば打つほど重くなるようなので、加減が難しくて女性相手に打つのは怖いです。演武でエレナ先生と正眼した時はハラハラしました。手加減しようとすると逆に力が入って的がズレるし、軽く打つのがとても難しい。今は怖いので寸止めで道着スレスレで止めています。太刀だったら思い切り吹っ飛ばしますけど、打太刀の後ろに誰か立っていたら、これもやっぱり躊躇します。昔は男性に対しても突いたり打ったりするのを躊躇していたので、一応成長はしているとは思うんですが、なかなか難しい。先輩や先生に対して失礼のないように、もっとコントロール出来るように稽古したいと思います。
 
とことで、下のダン先輩の引落打スロー動画からも分かるように、太刀に負ける(=杖先が正中線に戻ってくる)ことがあるのは、最後の手の内が失敗しているからなのかもしれません。木刀を軽く握っている人でなければ杖先は100%『し』の軌道になることが多い。私もよくやる問題です。
 

 
<私の個人的な研究観察>
肩を開くタイミングが早いと、手の位置が肩より後ろになってしまい、腕が挙らなくなってしまうので、このように肘が外に出てしまう。手が挙がらないと振り下ろす際に滑る距離が減ってしまう原因にも繋がってしまい、さらに外に張った肘の影響で杖の刃筋が狂ってしまう。あるいは、手幅を大きく保とうとすると左手が下がってしまうことにもなる。丁度全ての◎がバラバラに動き出すとき、仕杖が狙いを定めて打とうとしているのが見て取れます。おそらく横から見ると動きが二拍子に見えるのかもしれません。

三点がバラバラの方向へ移動することで、杖先の力が定まらず太刀に負けたり、右手で打とうとすると左手が下がって太刀の側面から当たって力負けすることも考えられる。打ち終わりで杖先が正中線にある場合は、顔面を攻める時の杖先の移動が下から上というイメージを持っていたり、打ち終わりが本手の構えのような杖の角度(つまり左手が左で、右手は右にあるべき)と思っているからか、もしくは太刀に負けたことで正中線に戻された結果とも考えられる。

大きな円を描けない最大の原因が左肩が動くタイミング、さらに元を辿れば腰、あるいは膝が動き始めるタイミングが早すぎることだと理解出来る。返し突を勉強すると、どのタイミングで肩を動かすのが、杖を縦回転させるのに有効か非常に分かりやすい。
 
じゃあ、正中線に戻ってくるということは、そのタイミングで内側に力がかかるのだから、『J』のように逆方向に手の内が使えれば、『|』になるのかな?早く実験したいけど出来ないのは一人稽古の悩みです。まあ、右引落打ではそんなことしてないから、しないのかもしれないけど。
 

握る引落打

寒稽古でもよく見かけたんだけど、引落の構えで後ろの手が開いている人が多い。あんまり大事じゃないと思っている人が相当数居るのかもしれない。私は先生に「しっかり握りなさい」と教わったので、後輩にもそのまんま「しっかり握りなさい」と注意をするけれど、「なんで?」と訊かれたらどう答えるか悩むと思う。

というわけで、自分なりに色々と考えてみた。というのも、乱合で引落の構えから一歩出て打太刀の顔面を狙うとき、前の手を使う人が非常に多かったからだ。ここにヒントがあったと思う。

教本を読めば、乱合のそれは「杖は右手で斜め下から突き出すように攻める。」と書いてあるように、前の手で殴るようなイメージではない。制定や古流の本を何冊読んで見ても、先生方の前の手は握るどころか指を伸ばしているようなイメージだ。そもそも、引落の構えでは前の手は指を伸ばすのが正しい。次の繰付の動作を考えても、やはり杖を瞬時に持ち挙げるには握っていては効率が悪いとも思う。

では、なぜ皆前の手をそんなに握って攻めたがるのだろうか?

指を伸ばした場合、片手で杖を持つとイラストの左のように杖先が両足の真ん中辺りに落ちる。初心者で多いのが中央のように左手が胸の真ん中にあるパターンだ。もしくは右のイラストのように左手で握って持つ場合もある。どれも正しくないし、右手が機能していないのが分かる。

引落の構えでは、後ろの腕を自然に下ろし杖を持つと勝手に逆さまになった本手になる。そして杖尾は自然と左乳首に位置するのに気付くだろう。そこに前の手を添えれば正しい構えになる。これに気付くのに8年くらいかかった。閃いたのは一瞬でだけど。

したがって、後ろの手がおろそかな場合は、正しい構えが取れておらず、正しい打ち込みは不可能になると考えられる。

追記になるが、寒稽古でもう一つ気付いたことがあった。それは前の手を顔の位置まで挙げると(あくまで私の場合は)成功率が上昇した件についてだ。以前のブログでは、前の手を挙げると失敗に繋がると書いたが、これはそれに改良を加えた打ち方になる。顔まで挙げた手を、そのまま真下に肩の位置まで下ろす。失敗する人は手が前方に流れていく。

昨年秋に試した動画では、大げさにやってみたので前の手は結構挙っており、これに関しては無駄やスキが多過ぎるうえに、物理的な計算上では威力が最大にならないため、先生方のように打てるよう研究を続けていたのだが、挙げると成功しやすくなる理由には決定的な原因が掴めずにいた。

赤=杖筋、青=正中線

逆に言えば肩の位置だと(あくまで私の場合)失敗する確立が上がるのだ。何故だ?

これには形の演武で緊張して失敗してしまうのを、手を挙げてタメを作ることで気持ちを前よりも上に持っていき、一呼吸/一拍子増やすことで焦る気持ちを落ち着かせ、後ろの手をしっかり高く持っていくのが成功率を上げる理由だろうと考えていたが、もう一つあったようだ。それが前の肘の位置だ。

顔の位置まで前の手を挙げてから肩の位置に戻すと、自然と脇が閉まり肘が固定される。これによって振り下しの軌道が定まりやすいようだが、肩の位置に留めると、脇が少し開き気味になりやすく、成功しにくい。たぶん支点を固定するのに大事になるんだろう。このように、ちょっとしたことが失敗に繋がる。

力というのは質量x加速度であり、重力や遠心力を最大限使い、太刀に当たる最適な角度を研究し、加速方向(杖筋)を真っ直ぐにすることでその力を最大にすることが出来るはず。さらにスキの無い打ち込み、打太刀から見えない打ち込みを研究する必要があり、無駄を極限まで無くして最速を追求するのが、先生のような技を習得するために必要なのだと思っている。あんまり進歩していない気はするけれど、杖道は非常に面白い武道だ。

まずは大きく学んで、そこから無駄をどんどん削っていくという空手の動画にはとても共感出来たので、その動画もここに張ろうと思う。

右ストレート 2週目

毎日毎晩時間があれば杖道に没頭している私ですが、昨夜少し面白い発見がありました。以前のブログで書いたように、私の足は機能していないだろう。それについて少し考えてみた。
 
(疑問)太刀を打ち落とす引落打の際、なぜ後ろ足は回り続けるのか?
 

二年半前の動画。後ろ足に注目。


 
(実験)両腕を広げて、足をそのままに180度回転してみると両足の向きはどうなるか?
 
(結果)両足の向きが揃う。
 
(仮説)引落打で後ろ足がおろそかな場合、上の実験のように両足の向きが揃う傾向がある。つまり、この結果から身体は駒のように回転しようとしていると考えられる。
 
(疑問)杖を振り下ろす際、なぜ杖先の軌道が外側に膨れるのか?
 
(予想)上の実験から予測出来るように、身体が駒のような回転運動をしているのならば、腕を自然に振り下ろせば右上から左下に移動するはずである。しかし、これでは太刀を打ち損じる場合がある。振り下ろす速度が速ければ速い程、左に引きつけられる力が増すことから、同時に右に開きながら振り下ろすことになるだろう。
 

振り下しで腰回転だけを意識すると、振り下ろす際に杖先が左に流れる。


 
(仮説)この方法では身体と腕が別々の運動を行っていると考えられ、おそらく力の相殺など、無駄がかなりあるのではないか?また、内側に戻ってくるような杖先の軌道は、太刀に負けやすいため、効果的ではないだろう。
 
(疑問)最速で最大の威力を作り出すには、何が必要か?
 
(参考)ボクシングや空手では手の内を柔らかく、リラックスした状態を保つことで素早い突きやパンチが打てる。また、対象物に当たる瞬間にしっかりと握ることで威力のある強いパンチになるらしい。力の源は後ろ足にあるそうだ。
 
(参考)手の内を学ぶには、素振りをすると良い。
 
(実験)ボクシングの右ストレートのように腕の力を使わず、後ろ足の踏みしめる力を最大限使って、末端の手に伝える感覚を養えば、引落打での後ろ足の使い方が向上するのか?
 
(補足)この実験では、両腕を広げて180度回転するような、上から下への螺旋状の捻れを身体の中に作るのではなく、足を90度回転させて踏みしめる力を使った、下から上への捻れによる力の伝導を感じる必要がある。中国武術での螺旋勁をイメージしている。
 

 

このように、無理矢理後ろ足を前に向け、腰を途中で止めるように努力しても、力が上から下へと流れている場合、肩や腕、そして杖先はまだ左に引きつけられる。したがって、このように杖筋が向かって左に膨らむのだろう。


 
(疑問)引落打での前足の役割はなんだろうか?
 
(実験)前足を正面(打太刀)に向けたまま引落打を打つと、どうなるか?
 
(結果)杖先が下がりづらい。また、前脚の外側に張りを感じる。
 
(実験)前足を回転させ、張りの解放を行うとどうなるか?
 
(結果)重心が少し下がり、杖先も下がりやすくなる。姿勢を真っ直ぐに保つと、杖先はだいたい膝の辺りまで下りた。
 
(仮説)後ろ足がボクシングや空手のように、力を前に進ませる役割をしているとすれば、前足は上から下への動きを担当しているのではないか?
 
(疑問)それでは、どのようにして力むこと無く、足の力を使って腕を振り下ろし、身体の力を全て打太刀に向けることが出来るのか?
 
(実験)杖先を高く挙げる前半部分では、真半身のまま手を出来るだけ滑らせずに後ろから大きく振り上げる。肩上から顔面までの杖先の移動には、後ろ足の踏みしめる力を使い、正対したままリラックスした腕を振り下ろす。顔面から膝下辺りまでの杖が太刀を滑る間は、前脚の張りを解放することによって重心を下げ、やや半身の姿勢を作って手の内を使って打ち終える。このようにすれば、姿勢は前傾することはなく、優しい手の内でも杖筋が狂うことなく膝下辺りで止まることが出来るはずだ。
 
特に欧州大会で気になったのは、打ち下ろすときに前傾する人は手を滑らせるタイミングが早すぎるのも原因の一つだけれども、前傾することによって、杖先が床に打つからないように、手の内を強く握って止めようとする人が多いように見受けられた。つまり杖の動きがコントロール出来ていないようだった。
 
真半身で杖先を上げ、正対で顔面を打ち、やや半身で太刀を滑るため、後ろ腕/後ろ足/前足の3つがそれぞれキレのある動作でタイミングよく行われる必要がある。特に振り下ろす動作に関しては、腕を全く意識せず、後ろ足と前足でコントロールするイメージが無ければ、力が下から上に伝わることはないだろう。
 
(結果)自宅で一人稽古のため打太刀不在で効果は未だに不明
 
(補足実験)繰付からの返し突では、同じように後ろ足による力の伝導を杖先に伝えることが出来るか?