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Posts Tagged ‘荒井洋’

大抵の閃きはキッチンで起きる。何故なら私のキッチンが狭く、床がよく滑るからだ。新しい菜箸も百円ショップで買ったしな。
 
Most of my Jodo questions suddenly appears when I’m cooking in my kitchen. Because it’s small and have very slippery floor (and I have a pair of long chopsticks).
 
逆手打での私の最大の問題は、「届かない」と「乗れない」である。よくある失敗例は、前傾して両手が下がっている打ち込みだ。これは私だけじゃない。かなり沢山の人が同じ失敗をしている。結果は知っている通り、とても弱いし、打ち終わってから顔面に杖先をつける動作に無駄があり過ぎる。
 
My biggest problem in Gyakute-Uchi is “can’t reach” and “can’t ride Tachi (like in Hikiotoshi)”. Often ended up leaning forward and both hands down when I finish. I’m sure a lot of people do the same. You know the result.
 
先生や高段者の打ち方を思い出してみると、あまり前傾せず、打太刀の気剣体を崩し、顔面に杖先をつける動作に無理がない。ということはつまり、技が安定していて、隙が無い。
 
Sensei and high grades are not leaning forward too much, they break Uchidachi’s balance and not unnecessary movements in Jo-saki to Ganmen action. It’s calm, smooth and steady strikes.
 
北杖会からは「引落打と同じ」であり、「乗ること」を意識するように教えてもらった。帰国中はあまりそれが出来たとは思えなかった。最後の最後まで上手くはいかなかった。それはきっと自分の中でしっかりと「同じ」という意味が理解出来ていなかったからだと思う。
 
Hokujokai taught me that the key is Kiri-Otoshi just like Hikiotoshi. I don’t think I managed to strike like that at all during my visit to their dojo. Probably because I didn’t truly understand the meaning of “the same as Hikiotoshi-Uchi”.
 
逆に考えれば、逆手打が出来れば引落打もさらに上達出来るはずだ。
 
So, if I could strike good Gyakute-Uchi, my Hikiotoshi-Uchi will be better, right? or maybe I can adopt the Hikiotoshi-Uchi tricks into Gyakute-Uchi and it should work…?
 
井上先生からは「拳を太刀の切先にぶつけるように」とアドバイスを頂いたが、届かない。後ろの手がそんなに前に出ない。何かが邪魔をしている。ただ何も考えずに前足を出せば良いのか?後ろ足を引きつければ良いのか?違うだろう。
 
Inoue Sensei gave me a tip “try hit your rear hand to Kissaki” but I couldn’t reach. There is something stopping me from stretching my arms. Do I just simply move my front foot forward? or pull rear foot? Probably not.
 
(注意:私の勝手な想像です)
Warning: There are no proof and this is just my thoughts.
 
理論的には「杖の刃筋を通すということは、つまり制定居合の受け流しや袈裟切りと同じように、柄頭は正中線からズレず、ヘソ前で止まるべきである。引落打で切り落とすためにも、太刀に乗って勝つためにも、杖先で描く円の支点は力強くなければならない。」と私は思う。
 
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If you do Iaido, I think you would understand my idea. If I was to keep Hasuji in Jo, Tsuka-gashira (Jo-end) should finish in centre like in Kesagiri and Ukenagashi. And the centre of circle should be very strong. Cut with left hand in Iaido, right?
 
全剣連制定杖道dvdの荒井先生を参考にイラストを描いてみました。こうやって実際に描いてみると、先生は支点を強くするために、打ち終わりでは全てが一挙集中しているように見えます。手の内は私の完全な想像ですが、きっと杖先に力が加わるということは、このように手を使って入るんじゃないでしょうか?失敗例も描いてみましたが、手元に力を入れると、杖先に力が加わらず、そして支点がズレると力の源がブレるような気がします。
 
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I draw illustrations from ZNKR Jodo dvd, Arai sensei’s Gyakute-Uchi. It seems to me that all the powers gather in a single point in order to have strong centre of the circle. The Tenouchi is my imagination but, there are not many other options to make Jo-saki stronger. I also made my Gyakute-Uchi version, how I often strike and why it doesn’t work.
 
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先生の場合は綺麗に前の手が円を描いているようだと、私は写真をなぞりながら思いました。失敗した場合は、打ち終わりで左手が伸びきる必要があり、これではバランスも悪いし、力も入れづらいと思います。体が必要以上に突っ込んでしまい、打ち損じた場合も危険です。
 
I thought there is a clean circle in Sensei’s while drawing these. Bad version have stretched arm that loose balance. Often dive from head and very dangerous when you miss Tachi.
 
引落打と決定的に違うのは、切先との距離だ。この距離を自分のバランスを崩さずに、どう縮めるのか?というのが現在の私の悩める焦点になっている。
 
What really different from Hikiotoshi is the distance. How do I make it closer without loosing my balance? I’m thinking about it since last xmas.
 
前足を出そうとすると、足を真っ直ぐにして出すことが多いし、後ろ足を引っぱろうとすると、前足に重心が乗るので片足で打つことになる。
 
If I move my front foot forward, I often don’t change the angle of my foot. If I pull my rear foot, I often put too much weight on front foot that ended up striking with one foot.
 
だからやはり腰で打つしかない。引落打と同様に、腕じゃなくて腰で打てば、骨盤を水平に保ちながら、後ろ足を引きつけつつ、前足をやや半身の角度まで踏み込んで、膝を柔らかくして上半身にゆとりを持たせながら、杖を太刀に乗せて、手の内でグワッと打てるんじゃないか?
 
So using the Hikiotoshi tricks, turn with hip to add speed but also pull rear foot. Moving front foot but in Yaya-Hanmi angle (30~45 degree), knees soft and make my upper body relaxed. Then maybe I can ride Tachi and strike like Sensei?
 
まだ実際に稽古で打太刀と向かい合っていないので、なんとも言えないんだが、ここでもう一つ気になることがある。それは安丸先生が言っていた「引き切り」についてだ。私は引落打ではどうもそれが再現出来ていないのだけれど、もし逆手打と引落打が同じだとすれば、逆手打では太刀との距離が広いので、「引き切り」しなければならないだろう。技を大きく使って、打つには、この逆手打の「引き切り」を引落打で応用すれば、なにか得るものがあるかもしれない。週末の稽古で試行錯誤してきます。
 
I haven’t had chance to try it yet so I can’t say if this work but, I hope it works. And there is actually one more thing to think about while Gyakute-Uchi. It’s what Yasumaru Sensei said about Hikigiri. I haven’t managed to use it in Hikiotoshi-Uchi yet but, Gyakute-Uchi must use Hikigiri. And if Gyakute-Uchi and Hikiotoshi-Uchi are the same then I should be able to use the feeling of this Hikigiri to Hikiotoshi in order to make this technique large and powerful? Maybe I can find something new this weekend practice if anyone wanted to practice Jodo with me…
 

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負けたからといって、それが本当に負けなのかどうかは、そこから自分が何を得たかによるのだと、私は思う。負けても何が悪かったのか反省して、それを克服してしまえば、ただ漠然と試合に勝つよりも大事なことで、感想を素直に言ってくれない人の方が非情だったりするのだ。大会後の杖道部反省会で、私の映像を見本に、講師や先輩方からボロクソ言われましたが、悲観的になってはならない(笑)これさえ直せば勝てる。
 
あんなに頑張ったのに何で負けたんだろう?言われた通りにやったのに何が悪かったの?どうやったら勝てるの?大会の後はモヤモヤしてましたよ。でも当然ね、私の場合、動画を振り返ると気勢が足りないし、言われた通りにやってないし、皆が親切に罵声を浴びせてくれなかったら、全く進歩せずにこのまま一年間を無駄にすることになったのだ。
 
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斜面では、打太刀が切り終わる前に、こめかみに打ち込まなければ業が成り立たないのですが、私は決定的に遅い。シンプルな形のくせに、タイミングがシビア過ぎて、どうも苦手な業です。クリスティーナ後輩は右手のスナップ使うと良いんじゃない?とアドバイスしてくれましたが、私はそれに関してはまだ分からない。
 
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左貫で受ける時に前足が必要以上に前方に傾く。おそらく歩幅が広いというのも関係があると私は考えています。こんなに深く構える必要もないだろうし、狭ければ一発目の突きが簡単に出来るようになると思う。
 
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これが一発目と二発目の足の位置の画像です。荒井先生と比べると、一発目の姿勢と足の歩幅が違うのがよく分かります。これが結果として二発目が届かない=私の姿勢が大きく崩れる原因になるようです。届かないですからね。雰囲気が良くても、全く業として成り立っていません。断言出来ます。
 
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返し突きで気がついたのは、荒井先生は前の膝が曲がるのに、私は後ろの膝が曲がるというところ。前に出るということは、体重の掛け方と重心の位置が私のイメージと違ったようです。突く時の後ろ足というのは、構えた時の前足ですし、膝が伸び切っていたら使い物にならないんだろう。しかも、私は腰が下がりすぎて、なんだか縮こまっている感じがする。
 
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同じく返し突きでは構えた瞬間に、即時に突ける状態になければならないのに、私の後ろ手の準備が遅いのは致命的。審判はこういうところを、ちゃんと見てるんでしょう。
 
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打太刀での指摘は、八相から切り付ける時に、切先から切っていないことです。手から先に動いているから切るのも遅い。居合道を稽古しているのになんたる失態。
 
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過去のブログでも研究していた繰り付けは、小指を使うという大発見で、これでも随分速くなったつもりだったんですが、ま〜だまだ動作が遅く、キャッチするのが相手の目の高さでないのは問題で、これでは業が効きません。
 
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繰り付けの後ろ足の角度がちょっと開き過ぎという指摘を受けました。90度くらいまでにしておけと。
 
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あまり後ろ足を開き過ぎると、やや半身になって突いているつもりでも、角度が120度から90度になったくらいで、全く出来ていないという悪循環にも繋がりますが、そもそも真半身→やや半身が非常に苦手というか、自分ではやっているつもりでも、動画で観るとやっていないのです。これは特に顕著に現れた時の画像。90度に足を開いておけば、やや半身で60度くらいになっているはずです。気をつけます…
 
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引落打で特に酷かったのがこの動画だと思う。杖先に力が伝わっていないから、まず高さが出ていない。気持ちが前に出過ぎで、前手が先に動いているので、姿勢が崩れて下にたたき落としている。結果としては、円運動が小さくなって、手前にきているし、二枚目の画像を見ると、左の腰が入っていないのがよく分かる。腰の捻りによる横回転運動は、左腰が入ってネジレて始めて前方に進む力に変換されるのではないかと、以前のブログ記事に書いた通り、制定居合五本目にある受け流しと同じように、左手で切ることでしっかり業として成り立つのだと思います。受け流しでは、右手出来ると切先が敵に届きません。
 
そうだ、届かないんだ!(←今更気付いた)届かないから、それを補うために体が前傾しなくちゃいけなくなって、上手く打てないというわけですね!駄目駄目じゃねえか!!
 
いや〜、どうなんだろう、駄目な所を書き貯めて今回動画と一緒にマークしてみたけど、下手過ぎて書きながら泣きたくなってくる。次は絶対勝って笑ってメダル手に入れよっと。
 

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個人戦ではグループの総当たり戦で3勝したあと、各グループ上位2名がトーナメントに出場し、私は2試合しました。最後になった5戦目まではストレート勝ちだったので、最終戦のみアップして勉強してみようと思います。が私で、黄色が優勝者と準優勝者↓
 
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この試合で対戦したベルギー代表のジョナサンは、このまま勝抜き、三段個人戦で優勝しました。彼は大会の後に昇段審査で四段に合格していたので、私とは丁度3年くらいの経験の差があるのかな?結果はご存知の通り、1-2で私の負けです。三段になったばかりの新人で初出場ということもあってか、私のグループ戦は最多の4人グループ(表参照)でした。とにかく大会の空気につぶされないように深呼吸して、リラックスを心がけました。丁寧にやろうという気持ちだったと思います。全英大会でも緊張はしますが、飛行機に乗って英国代表で欧州選手権となると、なんだか大変な気分です。焦って変なミスだけはしたくなかったです。全日本大会で県代表なんかになると、きっとこんな気分なんでしょうね。
 

 
ここにアップしていない他の動画も含めて、見て比べてみると、やはり私の引落打は随分と優しく見えます。試合では出来るだけ綺麗に打とうと思っていましたが、横から見るとこんなにキレがないんだなと驚きです。少なくても英国大会ではもっと喧嘩していたので、キレはあったはず。大会後に先生からも指摘されましたが、そういう意味でも、勝とうという気持ちが足りなかったかもしれません。籾山先生とアンディ先輩を真似すればきっと上手く出来る。
 
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返し突きも、手の返しが随分とぎこちない。自分ではサッと返していたと思ってたんだけど、動画で観てみると全然だめだ。姿勢に関しては『前に攻めを出す』という指導から、逆に上半身が後ろのめりでくの字になってしまっているのも残念だ。もう少し体全体で気持ちを前に出していかなければ、逆効果になってしまう。
 
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ジョナサンは背が高くて手も長いので、なんだか楽に構えている気がするけど、私ももっとスムースな感じが必要。見本を見てみると、ジョナサンもちょっと前に屈みすぎている感じがしないでもない。静止画を見て比べても、荒井先生の方が前に進んでいるように見えるのは、やはり体全体が前に動いているからだろう。気杖体の一致というのはとても難しい。
 
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歩幅も気になります。先日の合同稽古で私が歩幅が広過ぎという指摘を頂きました。機動性が重要な杖道において、次の動作がやりづらくなるというのは決定的です。それが構えにも出ていると思います。よく最後に残心を示してから、納めて常の構えに戻る時に、背が凄く高くなる人がいるけど、たぶんこういう人達は(私も含めて)歩幅が広すぎて腰が落ちているんだろう。後ろ足の膝が曲がっているというのも、腰が落ちているのと関係がありそうです。一番印象に残っているのは講習会で見せてくれた吉村先生の動きですね。杖先を顔面につけるというのを意識しすぎて、杖尾が随分離れちゃってるけど、これも問題だろうな。私がもっと前に出ていれば、もしくは打太刀が退き過ぎなければいいのか?
 
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残心のときの姿勢の違いも指摘された。ジョナサンはの文字だけど、私はの文字だ。
 
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前に前に攻める気持ちで、形の流れを止めないという点では、特に左貫で後ろ足がなんだか役に立っていないように見える。送り足がヘタクソなんだな。剣道やってる人は上手なんだろうと勝手に思ってます。ルーシーが上手なんだけど、あんまり横から見たこと無いんだよな。なんであんなにちっちゃいのに前に出れるんだろ?突いてくる太刀を受ける時の歩幅が、私は広すぎるから、正面を向いて打ち落としてから前に出る時に、動きづらいのかもしれない。
 
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杖道dvdの荒井先生で確認してみた所、一発目で両足がとても近づいているのがよく分かる。一瞬だが、歩幅がここで変わらないと次が絶対に届かない。
 
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物見は左足が開いているけど、あれくらいで良いんだろうか?もっと半歩くらい下がった方が良いのかな?右手で打っているようにも見えると先輩から言われました。左手でキャッチする時にすでに右手が写真の位置まで上がっているのは問題だろうと私も思う。打つときの姿勢もなんだか足を見ていると、一直線上に立っているようだから腰が入ってないのかもしれない。稽古の時に注意してみよう。突きもまだ、後ろ足からしっかり力が伝導しているかどうか疑問。ちゃんと効く突きができるまで、刺したり体当たりしたり、そういう居合や杖の稽古でも意識するべきだな。これはやはりアンディ先輩を真似しよう。繰り付けからの突くタイミングも絶妙なんだけど、あれもなんとかしないと。
 
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開始線(点線)に戻らないのはどのくらいマイナスポイントなんだろうか?そんなに大した問題じゃないのかな?居合道のときも、私は開始線に戻ることを心がけているんだけど、左貫の後に随分前に立ってるよね。これで旗1つもらったのかな?
 
全体的なイメージとしては、先生や高段者と比べると、私のこの演武はキビキビしていないし、喧嘩していない。ルーシーはいつも喧嘩っぽかったな。彼女を真似しよう。
 

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オーストリアって私は初めて訪れたんですが、皆ドイツ語(らしい)を話すらしくて、何言ってるのか、書いてあるのか、全く分かりませんでした。英語と似ている単語はビールだけ。まあ、それだけで十分だったんですけど、3泊4日の滞在では講習会と大会ばかりであまり観光する時間もないので、皆で初日の夜に中心街に繰り出すことに決定。どうやら新しい街と古い街の混合した都市のようです。新しい街の方は歩いてみても、似たようなお店がヨーロッパ中にあるので、なんとも感じないですが、昔ながらの石畳の街の方は情緒がありますね。山の上の方にはディズニーランドみたいなお城がありましたよ。
 
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ポルトガルとイタリアのチームと一緒にビール探し中
 
リンツにはトラム(路面電車)が走っていて、道路がとても広い印象が残りました。自転車で移動している人も沢山いましたし、ホテルから町の中心部まで往復で4ユーロ程度。安いのか高いのかはちょっと分かりませんが、トラムってちょっと新鮮な感じです。札幌にもあるけど私はあまり使ったこと無いし。切符買ったのに駅員が誰もチャックしなかったのは不思議でしたが、罰金はかなり高いようなので、皆しっかり買いましょう。
 
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マーケットで演奏してた人達
 
杖道では気合いを声に出すので、私は、やり方が間違っているだけかもしれませんが、通訳で叫んだりするのもあって、すぐに喉がやられます。3日もすれば絶対に、酷ければ1日で声が出なくなります。のど飴なんかを今回は事前に用意してきたんですが、あまり効果はなく、ビールはおそらく悪化させただけだと思いますが、毎晩喉を労るように味わいました。やっぱり運動した後のビールは美味しいですね。私が飲んでたのは確かWieselburgerっていう銘柄。オーストリアでは随分とポピュラーなビールだそうです。口当たりが軽くて飲みやすかったです。ホテルのバーで500mlが3.7ユーロくらいだったかな?これも安いのか高いのかイマイチぱっとしませんが、ホテルも航空券も食事も自分で払っていない旅ですから、気軽に呑めます。講習会の間も、先生方でさえお昼からビール呑んでましたし、ビールと無限に出てくるポテトしか記憶に無い選手権です。
 
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注ぎ方を見てると、イギリスと違って、泡多いんですね。日本も泡が多い気がしますが、イギリスで泡を少なくビールをギリギリまで注ぐのに見慣れていると、泡なんかいらんわ!と言いたくなります。ヒゲに泡が付くし邪魔。泡を味わうというのはどうも私は慣れません。
 
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ドイツのようにソーセージとかビールが有名なイメージでしたが、何故か野菜ばかり食べたような気がします。ひたすら健康的で、英国チームの2名は耐えられなくなって2日目の夜にマクドナルドに行ってました。体がジャンクフードを求めてるとか言ってたけど、面白い人達です。ベジタリアンの選手は嬉しそうでした。
 
でもね、サヨナラパーティーのあった最終日の夜は肉だらけでしたよ。喜びのあまり肉ばっかり食べてたら、あれだ、やはり炭水化物も必要だと気付きました。ビールで流したけど塩辛いのな。パーティーには着物を着ていた綺麗なヨーロッパの女性も居ました。浴衣じゃないよ?凄いよね。日本人じゃなくても似合うんだなと見とれてたら、写真撮り忘れました!残念。一応パーティーということで私はシャツ着ていきましたが、イタリアチームなんかはお揃いのスーツ着てたりして、「イタリアチームはスーツが似合うヤツを代表に選ぶんだよ」と英国チームメンバーが冗談を言ってたくらい。それにしても皆よく呑む人達で感心してたら、一番呑んでたのはたぶん先生方でした。皆が先生にどうぞどうぞって渡すんだからそりゃ酔うだろうなと思います。
 
日本の先生方とゆっくりお話をしたかったんですが、毎回そうですが、ヨーロッパには沢山の先生方のお知り合いが居るわけで、ファンも沢山いて、なかなかお話をする隙が見えなくてちょっと心残りです。やはり、ここは優勝して、そしてそこから会話の糸口を見つけるしかないですね!だからこそ余計に入賞出来なかったのが悔いに残ります。
 
そういえばホテルのエレベーター横に靴磨きの機械がありました。珍しいので、同じ三段の部に出場したオリバー君に試しに磨いてもらいました。次回は私も革靴持参で行こうと思います。
 
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しかし靴磨きクリームは出ない
 
二日酔いで起きた月曜日はホテル出発が3時ということで、10時に部屋を追い出されてからは、iPhoneを使って飛行機のチェックインを済ませ(便利な世の中です)、お昼ご飯を食べに中心街にまた出掛けました。カフェで珈琲や名物のザッハトルテなんか食べたりして、いざ観光を!と思ったら、オーストリアは月曜日が休みという悲しい現実。美術館も定休日でした。もし観光に行かれる方が居たらご用心。レストランもかなりお休みしていて、探すのに苦労しました。
 
空港の免税店では風邪を引いていた妻から「生後11ヶ月の息子を置いて、オーストリアの欧州選手権に3泊4日行くのは構わない。でもザッハトルテは土産に買ってきなさい」と言われていたので、それだけは流石に一目散に買って帰りました。会社の友達にはもう一つの有名なお土産「モーツアルトのチョコレート」を買って帰りました。チョコレートは街のお土産屋さんの方が安かったよ。まあ、そんなに美味しいのか?って感じだけど、オーストリアと言えばモーツアルトのチョコレートだそうです。他にはアプリコットのジャムだとか有名らしいです。
 
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空港で売ってるザッハトルテは木の箱に入ってるんだけど、チョコレートケーキにチェリーのジャムかな?上の方にチョコのアイシング乗ってるような、そんな感じのケーキでした。バニラアイスと一緒に食べたらもっと美味しかった。満足です。
 
飛行機は出発に1時間遅れ、ヒースロー空港にやっと着いたと思ったら、着陸許可が出なくて40分くらいロンドンの空を回り続けて、イライラの限界で到着。グッタリしながら、スキーケースに入れて運んできた杖と木刀を皆に返して、ロンドン組はそこから地下鉄で帰宅。結局家に着いたのは(私はそれでも家が近い方ですが)夜の11時半かな?着いた途端うちの猫が毛玉を吐き、寝ようかと思ったら息子が起き、騒がしかったですが、無事に帰宅出来て良かったです。
 
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ロンドンは他の都市より眩しい!
 
不思議です。いつからか、ヒースロー空港に着いたら帰ってきた〜という気分になって、札幌の実家に帰るよりもっと、ホッとするようになりました。ロンドンに住んでそろそろ9年かな?二階建てバスを見て安心して、“アルファベットがちゃんと読めるように”並んであって、なんだか自分のリラックス出来る空間があって、気楽な国イギリスは私の第二の故郷になりかけています。実際あと4年もすればイギリスに住んでいる期間の方が長くなりますからね、変な話です。
 
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photography © KendoLinz 2013
 
今回の選手権でプレゼントされた参加賞(?)はグラスの水筒です。なんでも山に囲まれたオーストリア・リンツの水は綺麗で美味しい!ということで、エコな大会を目指して、水は買わずに水道水を飲めということだそうです。水筒には「無心になって、形にとらわれず、水のように」というような感じのブルースリーの名言が書いてあります。風景も確かに山ばっかりで日本らしかったですね。
 

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さて、大会の様子
 
団体戦が開会式後にすぐスタートするということで、6時半に起きて軽く朝食をした後、会場に7時半に到着、開会式が始まる8時半までウォームアップをしました。あまり食事はとりませんでしたが、とにかく私のプランは緊張しないことでした。手に汗を握って杖が滑らなかったり、焦って突きを外したり、体が緊張して上手く動かないなんてことは、大会ではよくあることです。
 
濡れた手ぬぐいで手汗を拭い、肩の力を出来るだけ抜いて、柔らかく、見られるよりも見せる気持ちで演武をすることを心がけ、大きな気合い、正確な打突を目指しました。思い返せば4年前初めて全英大会に出場した頃はドキドキしっぱなしで、頭の中が真っ白でした。手加減しないように心がけた3年前、どうしても優勝出来ない2年前、気合いで優勝した1年前。今年はとにかくリラックスすることを考えていました。道場で出来ることが大会で出来なければ意味がない。落ち着きと自信が無くてはいけない。そう思っていました。大会に飲み込まれないようにしないと手が震えてしまう。
 
開会式はブラスバンドが登場したり、各国代表はプラカードの後ろに立って、万国旗が飾ってあったり、とても華やかな感じでした。とにかく楽しもうという感じで、選手達も終始笑顔が絶えませんでした。
 
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photography © Andreas Gradert 2013
 
しかしそれも束の間、団体戦が始まると一気に皆真剣な表情になります。私たちのプールにはスイスとロシアのチームがいました。先鋒が3−5本目、中堅が6−8本目、大将は9−11本目が指定業です。大将が緊張していたのか初戦は少し動きが固く、スイスに負けてグループ2位で突破。勝ち抜き戦はブルガリアを破り、第2ラウンドであえなくスウェーデンに負けました。先鋒の私の試合で合議があり、調子を崩して負けた印象があります。団体戦というのは先鋒が「自分が負けても中堅と大将が勝てば良い」なんて思っている人も居るかもしれませんが、負けると中堅が「俺が負けると負け決定」とプレッシャーがかかり、ドミノ倒しのように負ける傾向があります。先鋒は大将並みに「勝たなければならない」のです。余裕がないチームは負けます。結果はドイツが優勝、スウェーデンが準優勝でした。
 
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なにはともあれ、色々と悔しい午前中でした。昼食後は個人戦を3コートで行います。気を取り直して頑張るぞ!と言いたいところですが、名誉挽回のために落ち着かなかったのか、あんまり食事も喉を通らず、試合が始まるまでウォームアップ会場で黙々と準備をしていました。
 
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photography © KendoLinz 2013
 
今年は英国杖道部の新しい試みで、英国選手の出場する試合を全部ビデオ撮影することになっており、後日映像をチェックして研究する予定です。審査員がどこを見ているのかなども勉強になります。が、それと同時に選手も少し余計に意識してたのかもしれません。
 
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photography © Andreas Gradert 2013
 
プールではポーランド、オランダとオーストリアの選手と当たりましたが、全部勝ち抜いてグループ3はトップで通過、勝ち抜き戦では1試合目でフランスを破り、2試合目で今回優勝したベルギーの選手に1−2で負けました。何が悪かったのか、後ほど映像を見て反省しようと思っています。他の英国選手はグループ突破に苦戦して、私を含めて数人しか勝ち抜き戦に進むことが出来ませんでした。
 
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全試合の結果はこちら
 
大会に出場するにあたって、今までは英国代表なのだから、イギリス人が出場するべきだと断ったことが何度かありましたが、今回出場して、日本人ですが、英国代表として、大会を通して得たものは沢山ありました。しかし、英国代表だったにせよ、やはり私は日本人ですから、日本の武道で他国の選手に負けたのは悔しかったですね。日本の先生方の見ている中で入賞することすら出来なかったのは、単に私の稽古不足によるものでしょう。面目ありません。椎谷先生からは残念でしたと声をかけてもらいましたが、欧州選手権は皆がとても上手で、全く甘くない大会でした。稽古4年の私と7年の選手の差というのは、そんなに大きいのかな。
 
3年間というのは、無段と二段くらいの差があって然るべきなのか。五段というのはもう一度無段から三段になるくらい稽古をするのであって、ピンからキリまで居て当たり前であるが、ただ漠然に私は五段ですとか、三段ですと言っても、全く同じレベルでは無いということなのか。しかし、私の中では三段のイメージはあるし、例えば五段のイメージはとてつもなく立派である。
 
私が出場した試合での指定業は4−6本目。沢山の『返し突き』が登場しました。それに向けて当日特訓したお陰で、私の『返し突き』は上手になったと思います。外したら負けるというのが明確でしたから、プレッシャーは大きかったですが、あれは水月を見ながら突くよりも、打太刀の顔を見ながら突く方が正確に当たるものなんですね。当たり前のことですが、私には新しい発見でした。お陰で10回中8回はかなり正確に水月に突けました。残りの2回は、ちょっと緊張して勢いを出しすぎて、杖先がブレて少しだけ水月を外しました。『雷打』も『乱合』でも、突く時は顔を見ると杖先が自然と脾腹や水月に当たるんです。不思議なものです。
 
やっぱり日頃の稽古で、「来年の選手権で絶対に優勝してやる!」と頑張って稽古するのと、「週に2回くらい体を動かそう」くらいの意気込みでは稽古の質が全く違うし、欧州選手権で沢山のライバルに会った前と後では、全英大会だけが目標ではなく、さらなる業の向上が必要であると確信しました。日本で例えるのなら地区大会(全英大会)と全日本大会(欧州選手権)でしょうか。
 
ちなみに、今回の全試合はインターネットでライブ中継されていたそうです!事前に知っていれば家族に教えることが出来たんですが、残念。
 
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photography © KendoLinz 2013
 

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師弟関係について
 
海外で稽古をしていると、道場の先生が四段ということもあったりします。熱心な生徒が先に五段になってしまったり、講習会で日本の先生から違う指導を受けることもあります。
 
自分の先生は正しいのか?無視して直接日本の先生に指導を頼むのが良いのか?しかしそれでは先生を飛び越えることになるわけで… 君はいいよな、日本語が喋れるし、日本の先生も講習会で沢山教えてくれるから上手になるんだ。でもどうするべきなんだ?演武で自分の先生を真似るのか、それとも日本の先生を真似るのか?日本の先生が言うのだから自分の先生は間違っているのに、それを知っていて自分の先生を尊敬して真似るべきなのか?
 
こんな風に悩んでいる人に、たまに会います。
 
例えば私の師弟関係は『私←クリス先生←石堂先生』となっています。私はやはりクリス先生らしく、彼に似るように武道をしようと思います。もしあまりにも何か変であれば、きっと石堂先生からクリス先生に「違う」と伝わるでしょうし、私のすべきことは自分の先生を信じることでしょう。私がクリス先生の指導を無視して、彼の許しを得ずに石堂先生に積極的に直接教えを請うのは、何か間違っている気がします。もちろん講習会で日本の先生方が、あまりにも私がヘタクソなので一言声をかけて下さることは多々ありますが、それとこれは違うと思います。
 
しかし中には、例えばクリス先生よりも石堂先生を真似たい人も居るだろうし、海外で稽古している外国人には、色々ともどかしい問題なのかもしれません。
 
海外の先生方はとても親切だと私は思います。技術をさっさと教えてくれますし、出来るだけ飽きないように、1年で乱合まで教えたりします。日本のようにじっくり基本からやっていくと、あっという間に生徒が居なくなり、武道人口が減ってしまうでしょう。
 
これが、ある程度のレベルになると話は別になるのかもしれません。正確に出来ても中身が無い、業として成り立っていないという壁にぶつかるのではないでしょうか?日本では基本からしっかりと時間をかけて、沢山悩んで、自分で答えを導きだすのが『当たり前』だと思います。昔先生の言っていたことは、こういうことだったんだと気付く時が来る。そういうものだと思います。しかし海外の生徒は近道をしたい人が多い気がします。どこがどう違うのか明確に教えてもらいたい、日本らしい曖昧な表現ではイライラするのでしょう。
 
「君はそれで本当にそこを切れるのか?」
なんて言われるより
 
「このままではこうやって相手に切られるから、腰を入れて、重心が云々…」
と技術的にどうやれば上手くなるのか早く知りたい
 
でも、私は自分で間違いを全部試して、悩んで、試行錯誤しないと業は身に付かないと思っています。先生方からはヒントを沢山頂いています。それをどう解釈して、どうやって自分のものにするかは自分自身の問題だと思っています。理合を研究して、技術を研究して、事理一致を目指すのが中段者の新しい課題だと私は考えています。今回の講習会で各国の先生方とも相対動作などで相手をして頂いて、色々と壁を乗り越える打開策が見えてきた気がします。このままでは来年の欧州選手権で優勝することはできませんからね。特に“自分は完璧に言われた通りにやって来たのに負けた”選手は何故負けたのか理解出来ず、焦っている人も多いでしょう。
 
例えばスケボーのキックフリップの仕方を初心者に教えても、感覚的に身に付けたものというのはなかなか教えづらいものです。足の角度や体重の乗せ方が分かっても、すぐにキックフリップをメイクすることが出来ません。頭で考えるより、体で感じないと駄目です。それに天才だからといって、教えるのも天才というわけでもありません。上手な先生ほど「こんな感じ」といった曖昧な説明が多い気もします。
 
海外では四段を過ぎると、何故か突然人数が減る傾向があります。それとこれが関係しているかは分かりませんが、これが今回の旅の最中に私が考えていたことでした。
 
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欧州選手権では、各国に先生方の『特徴』が見られました。ロボットのように正確性を求める国や、荒々しい気迫の国、イギリスはどちらかというと「気持ち」を大事にしている国だと思います。本当に戦い合っている真剣さや、攻めだとか、ピリピリした感じをちゃんと出すようにクリス先生からは指導を受けています。気を抜いたらいけないと。
 
大会で私が負けたのは単なる稽古不足による、自分自身を信じきれなかったために、緊張でボロを出さないように、業の流れや間の詰め方、速さや攻めよりも、正確な打突や体裁きを考慮して、全体的に気勢が足らなかったのが、敗因だったのかなと今振り返って思います。百発百中の業を身に付けていたのなら、私はきっと、もっと迫力のある死合が出来たのかもしれません。
 
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photography © KendoLinz 2013
 
もちろん大会後にはクリス先生から「お前達は本当に勝とうとしたのか?」と叱られました。今年で12年目になる欧州杖道選手権ですが、過去の成績を見てみると英国チームはメダルを毎年沢山持ち帰って来た強豪国です。それが今年は銀メダル1つ。12年前と比べて他の欧州各国のレベルが上がってきたのも原因ですが、英国チームの世代が代わり、新しい世代がまだ前世代に達していないのも事実です。
 
今年の英国チームは半分以上が初めてか、2度目の欧州選手権出場です。毎年同じメンバーでは英国杖道全体のレベルアップにならない。そして欧州選手権に出場することで経験したことを、それぞれの道場へ持ち帰って、指揮を上げようというような、英国剣道連盟杖道部の試みであったんだと私は思います。他国ではやはり毎年同じ常連メンバーが参加しているようですが、私も実際に参加してみて得たことが沢山あります。今回残念ながら入賞出来なかった英国メンバーにも、来年こそは絶対に勝ってやるという気持ちになったのではないでしょうか。
 

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大会ルールについて
 
個人戦各段での各国代表は男女含めて2名までですが、団体戦には同じ段位が3人居ても大丈夫なんだろうと思います。団体戦は3人1組で合計段数が十段です。英国チームは今回三段が2名と四段が1名でした。私が春に三段になったばかりだったのと、他の2名が同じ道場所属だったのを考慮して、私が先鋒になりました。個人戦では仕杖のみ審査されており、仕打交代はありませんでした。(動画が手に入ったらブログに載せようと思いますが、12月頃になりそうです)
 
団体戦では打太刀も審査されていると私は思っていたのですが、どうやら仕杖のみのようでした。何故なら、私が出場した試合で相手の組の打太刀が、引落打された際に太刀を落とす場面があり、副審から「止め」の号令が出て合議がされたものの、結局仕杖のみ審査ということで決定したからです。滅多に起きない出来事だったので、少し会場がざわめきました。副審もどうして良いのか分かっていなかったのか、勝敗について色々と話題になりました。
 
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photography © Andreas Gradert 2013
 
ところで、大会の後に昇段審査があるんですが、各段位で個人入賞した人がかなり居ました。なんか不思議な気分です。私も春に昇段せずに、秋に昇段すればまだ二段の部に出場出来たわけですから。団体戦にも実力のある選手を低段位で出場させられるでしょう。イギリスでは無段(一級)、初段、二段と進みますが、他の国にはその下にも二級や三級があるところもあると聞きました。無段だからといって、まだ1年しか稽古していないというわけではないかもしれません。
 
しかし、「時間が来たから昇段審査を漠然と受ける」というのは駄目だと、以前購入した本で読みました。自分が八段を受ける準備ができたから審査を受けるのであって、審査を受ける資格が出来たから受けるというのとは違うと。私の道場にも「まだ四段を受ける自信がない」と審査を拒んでいる先輩も居ます。
 
調べてみたところ最近新しく加わった大会ルールにはこうありました。『出場選手は出場するカテゴリーで段位と段位滞在期間が同じであること(例. 三段は昇段してから三年間)そして無段の場合は選手権に初めて出場してから1年間。例外として、選手が次の段位の昇段審査に12ヶ月以内に少なくても1回受けたことがある(つまり落ちた場合)、もしくは欧州選手権で昇段審査を受ける場合。欧州選手権で審査を受ける場合、段位滞在期間を延期出来るのは最大で3ヶ月とする。』
 
これはずーっと審査を受けず、同じ段位に出場し続ける人が過去に居たからだそうです。欧州選手権に毎年出場するような選手なら、昇段審査は選手権で行うのが一番賢いのかもしれませんね。私の場合は今まで春で審査を受けて来ていたので、ちょっと難しいようですが。
 
ちなみに、今回私が英国代表になれたのは例外です。基本的には英国籍を持っている人でなければ出場出来ません。私の場合は、英国に11年以上住んでいて、永住権を持ち、過去に日本で全剣連に所属したことがなく、稽古と審査を英国内でのみ行ったこと等が例外として欧州剣道連盟から認められたため、出場することが出来ました。名札には英国旗、英語で私の名前、そしてUNITED KINGDAMの文字が刺繍されます。
 
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手違いで選手権までに名札と、英国チームのジャケット(陣羽織)が届かなかったんですけどね!移動中の空港でノートパソコンで名札作って、ホテルで印刷してから裏側を布テープで補強して、それを道着に縫って出場しましたよ… 以前の講習会では黒のナプキンに修正液で名札作ったりもしましたが、手作り感が半端無かったです。名札とチームジャケットは年末までに届くそうです。楽しみです。
 
選手権は毎年違う国で行われるようで、以前は居合道と杖道が同じ国で一週間かけて開催されましたが、現在は2カ国に分かれて開催されています。来年はイタリアのトリノです。そして再来年はスウェーデンに決まったようです。また代表に選ばれるようにしっかりと稽古を続けようと思います。英国剣道連盟がホテルや航空券を手配してくれるので、ちょっとした小旅行のような感じがします。基本的に使ったお金はビールと、ビールと、ビールでした。居合道は知りませんが、剣道の欧州選手権では英国チームは、大会が終わるまでビールが御法度だそうです。杖道の英国チームは朝5時の空港で早速ビールを飲み始め、私が朝っぱらからビール?と訊いたら「まだ寝てないから夜だ」と言い張っていました。流石イギリス人。
 
フェイスブックを使われている方は、リンツ剣道から開会式等の動画が観れます。
https://www.facebook.com/KendoLinz

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ロンドンから開催国のオーストリアにあるビエナまで飛行機で約2時間、そこからバスでさらに2時間半ほどで目的地のリンツに到着するのですが、朝6時発の飛行機だとチェックインが2時間前、家を出発するのが朝の3時となりました。
 
そんな時に限って息子(生後11ヶ月)が産まれて初めて風邪にかかり盛大に嘔吐!真夜中にバナナミルク臭い息子を介抱して、鼻づまりで眠れず、風邪薬でテンション上がりっ放しの息子は踊り続け、出発までになんとか義母さんに連絡をつけ、急遽ロンドンまで看病しに来てもらうことに!
 
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出発する時はなんだか心配でしたが、選手権を棄権するわけにもいかず、風邪でグッタリしている妻も「気にするな、頑張ってこい」と背中を叩いてくれたので、夜中にこっそり旅立ちました。毎度のことですが、帰ってきたら息子は私の顔を覚えてるのかな?と考えたりしながら飛行機とバスに揺らされて数時間、13日の金曜日でした。
 
移動は殆どを寝て過ごし、変な格好で寝て首を痛めながら、リンツには昼過ぎに到着。選手権前々日の講習会は3時から始まります。日本からは椎谷先生、荒井先生と椿先生が招待され、まずは打太刀の構えから説明を、次に仕杖の構えや基本動作を中心に指導を受けました。3時間程度の稽古でしたが、体も上手い具合にほぐれてとても良かったです。
 
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photography © KendoLinz 2013
 
英国チームの監督であるジョック先生からは、先日の強化トレーニングで「椎谷先生がやってくるから、各自しっかり相対動作を勉強しておくように。怒鳴られても知らんぞ!」と忠告されていたので、剣道連盟から購入した杖道dvdで荒井先生の模範演技を観て復習していたお陰もあり、少しヒヤヒヤしましたが、初日はなんとかスムースに過ごせました。
 
最終日にはもう一度椎谷先生から、椿先生からも大会前日に『構えが大事だ』と何度も説明がされました。特に構えから出る攻めの気持ち、つまり気勢ですね。姿勢という漢字も「姿から現れる勢い」ということで、力がどこにあるのかというのが重要です。籾山先生からも引落打が上手くいかないのは杖先にパワーが伝わっていないからだと助言を頂きました。
 
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photography © KendoLinz 2013
 
私は昔よく勘違いしていたんですが、ヨーロッパって皆が英語喋れるわけではないのです。ボーンマスの語学学校へ入学した時、イタリア人やスペイン人が居て、なんで白人なのに英語喋れないの?と思ったものです。講習会で先生が日本語で説明して、それをアンディ先輩や私が英語で訳し、それを聞いて本当に理解しているのか分かりませんが、各国の選手も頑張っていたと思います。しかし、それでもやっぱり言語の壁があって、号令が上手くいかなかったり、整列するまで時間かかったり、先生が何度も同じこと言わなくちゃいけなかったり、本当にご苦労様です。椎谷先生が大きな声を出さざるをえないのも理解出来ます。
 
声が聞こえないなら前に来い。
 
何度か通訳をしていて、集合と言われても走ってこないで、後ろでボーッと突っ立って、それで声が聞こえないから大きな声で喋れとか、お前は何を考えているんだ?と怒鳴りたかったことが多々あり、次回はメガホン持参で参上しようかと本気で思いました。
 
ディナーはホテルでバイキング形式です。沢山の野菜をもう見たくないというほど食べました。驚いたのはまだオーストリアでは室内で喫煙が出来ることですね。数年前までイギリスも吸っていたと思うと、ビックリします。煙たいし臭いし、あまり好きではないですね。スケジュールは金曜日に2時間講習会、土曜日に講習会と高段者には午後から審判講習会があります。日曜が大会と、夜にサヨナラ・パーティーが開催される予定です。
 

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全日本剣道連盟杖道DVD手に入れました!俗にいう制定杖道で、古流とちょっと違う普及型。海外では古流TOKYOスタイル(東京派)と制定が色々と似ているというのもあってか、古流で福岡派の稽古をする人はあまり見かけません。もちろん高段者の先生方は知っておられるようですが、稽古の時に違いを見せてくれるくらいですね。昨年帰国した時に買った古武道DVDでは乙藤市蔵演武でコレこそ古流!というのを見せて頂きましたが、制定はもっともっと細かく決まり事があるので教本と全く同じ通りにやることが前提です。どっちでも良いとか、そういうのがないんですよね。先生によって教え方が違うとか、西と東で演武が違うとか、そういうのがあってはならないのです。制定は制定で一つしかないんですよ。
 
2段に昇段させて頂いて、私も少しは細かいところを見ることが出来るようになったと思います。講習会で先生も「高段者と初心者では汲み取り方が違う」とおっしゃっていましたが、稽古をすればするほど着目点が変わるものです。私の最近の疑問は手の内です。DVDを観ていると特に逆手打、繰り付けで荒井洋先生の手が気になりました。杖に対して90度で握る横一文字の逆手と生命線にそって握る斜めの本手。よ〜く道場で見渡すと、居合でも人それぞれで握り方が微妙に違っていたりするんです。手首がグニャッとしてる初心者とかはすぐ分かるし、これはもう最悪の状態で病気であると中山博道先生も言っておられたとか。今のうちに私も変な癖が付かないように、私もちゃんと斬れる手の内を鍛えねばいけません。抜き手__違ったかな?死に手でしたっけ?この前読んだ杖道打太刀入門であったんだけど呼び方忘れました。
 
逆手も「ぎゃくて」と「さかて」って言い換える時がある(らしい)のですが、「さかて=逆さまの手」で「ぎゃくて=逆手打の手」は逆手打だとか。まあ、知ったのはインターネットなので私の先生から実際に言われたわけではないですが、面白い話です。だって漢字が同じなのに握り方違うんですから!夢想神伝流の初伝の本でも「さかて」という言葉が出てきて「サカテっていつ使うの?ギャクテじゃないの?」と疑問に思ってたりしてたので、ちょっとスッキリしました。
 
教本には逆手に握るなどと書いてありますが、これが「ぎゃくて」なのか「さかて」なのかはDVDを観るまで疑問には思わなかったです。もちろん自然にそうなっていた場合もあったし、勘違いしていた所もある。特に繰り付けの両手が「さかて」だったことが気になる。
 
まあ、完全に私の勘違いとか、そういうのかもしれないので真剣に考えてもらわなくても良いと思うんですけど(汗)
 
私ね、改めて考えてみると、繰り付けの時は前手首は少し曲がって窮屈だけど後ろの手はおそらく間違いなく、逆手打もどちらも両手は横一文字握りだったんですが、DVD観ると先生は違うんですよ!繰り付けなんて明らかに私と全然違う。本手打ちの逆さまって感じで、もしかしたらこれが「さかて」っていう逆手(DVDの先生がする逆手突の後ろの手みたい)なのかもしれないと。逆手打はカメラの角度かもしれないけど、後ろの手が若干本手打のような角度で握っているように思えるわけです。逆手突の後ろの手もそう言えば私はもっと鷲掴みしてるんだよね。
 
私は両手ともしっかりと横一文字っていうか、鷲掴みっていうか、だったんですよ。それが一番気になったんです。簡潔に言うと(笑)
 
逆手(ぎゃくて)だと人差し指、本手だと小指に手の内の力が入るわけですよね?逆手(さかて)だと小指でしょうか?私ね、色んな人の演武を審査の時に拝見したんですよ。特に引提の話なんですけどね?後ろから構えを見るとなんか雰囲気が違う人がチラホラいるんですよ。今思うと、あれって「ぎゃくて」と「さかて」の持ち方の違いだったんじゃないですかね?次の稽古でしっかり見たいけど、演武じゃないと私が後ろから皆を覗けない!
 

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